■関西リーグ(D2) 第9節
『滋賀FC 4-1 FCグラスポKashiwara』
2008.6.14 14:00K.O. 大阪:万博記念公園球技場
得点者:本間・梅辻・岩田2
(※一部試合内容に間違いがありましたので修正しています)
総当りの関西リーグも2巡目に入り、Jリーグを目指すグラスポとの2度目の対戦を迎えた。
2順目ともなると相手も滋賀FCを研究してくるので、しっかりと戦術を練って戦わなければならなくなる。
ここまで4敗のグラスポ。4杯はいずれも滋賀県勢ということで滋賀のクラブに対する警戒心はさらに増している。
この試合、キャプテンの上田晋也が累積警告で出場停止。
DFラインの布陣は上田の代わりをあえてあてずに、3バックで望む。
前回の対戦で中盤のそこから一気に攻め上がりチャンスをつくっていたグラスポを封じるべく、橋爪・本間・保田に梅辻をバランスよく配置に中盤を厚く強固にして相手の攻撃の芽をつむ戦術と見て取れる。
対するグラスポは滋賀FCの攻撃の核、岩田を封じるべく、常に岩田に2人がつくという守備重視な戦術でキックオフを迎えた。l
序盤は不安定なサッカーをするのが滋賀FCのウィークポイントだが、この試合はグラスポがリスクを犯すことなく受身のサッカーを展開してきたことで、滋賀FCの自由度が増し驚異的な支配率で試合を運ぶ。
中盤の要因を増やし、さらにグラスポが過度に引きすぎていることから数的にも優位になり、橋爪が緩急つけた攻め上がりで幾度もチャンスを作る。
また保田の足元でのボールさばきも冴え、保田・橋爪が両サイドを思い通りに動き回った。
この二人がサイドを掌握することで、中央の本間・梅辻もポジショニングがとりやすくなり、センタリングに合わす形がうまくとれた。
岩田は前線に張り付き中盤からのピンポイントでのパスに合わせる。
グラスポの守備もうまく振りほどきゴール前フリーになる場面もあったが、相手の寄せも早いため落ち着いたシュートができず、ポストをわずかにかすめるシュートが何度も繰り返された。
ゴールこそ決まらないが、流れは完全に滋賀FCのものとなっていた。
前半16分、橋爪・岩田の連携ですばやく攻めあがり、橋爪のセンタリングを本間が頭であわせて先制。
グラスポの選手2人と重なる狭いゾーンだったが確実に当てる本間の技術力の高さを見ることができた。
(本間選手も珍しくガッツポーズを見せた)
1ゴールでも試合の流れは大きく変わることなく、依然引き締まったゲームが続く。
ラインを抜け出した梅辻の切り替えしのボレーシュートが惜しくもバーをたたくなど、数ゴールはあってもおかしくない展開にいい意味で試合はヒートアップした。
35分には橋爪→岩田とすばらしいパス回しからゴール前に待つ梅辻にボールが渡り、グラスポGKと1対1になったところで冷静に押し込み2点差。
前半に2点リードを得たことは非常におおきい。
後半、滋賀FCは選手・戦術とも変えずに前半どおりのサッカーをする。
これに対し、グラスポは中盤から前の動きに速さを意識し、滋賀FCをかく乱する攻撃的サッカーをみせるようになる。
前半は明らかに抑え気味で受身のサッカーだったことを考えるとこれがグラスポの本来の強さだと思う。
特にキャプテンの14番楠田選手がキープ力・突破力・シュートの正確性などで光っていた。
何度か決定的なシーンをつくるものの、滋賀FCGK、松岡が好セーブや、グラスポのシュート精度の悪さに助けられ無失点で切り抜ける。
後半開始から20分までは完全にグラスポに支配された時間だった。
ようやく自分たちのペースを取り戻しつつあった滋賀FCだが、後半23分にカウンター気味に攻めてきたグラスポをペナルティエリア付近で倒しフリーキックのチャンスを与えてしまう。
このFKをきれいにゴール左隅に決められグラスポが1点を返す。(このフリーキックは敵ながら芸術的で美しかった)
■FKのチャンスをしっかり決めるグラスポの技術力の高さが目立った
(リードとリズムとってたので、この1枚しか写真とれませんでした。 よりによって失点シーンとは・・・)
一気に緊張感の増した滋賀FCだが、これでさらに気持ちは引き締まり自分たちのリズムを作り直す。
後半の滋賀FCで特徴的だったのは岩田が前半とは打って変わってサイドに開きボールを持って梅辻・本間を走らせるという形をとったこと。
岩田・本間・梅辻が柔軟に動き回ることでグラスポの守備は崩れた。
シュートは多く打つもののなかなか1点が入らない状況で後半の42分、グラスポのマークが完全にずれた場面を逃すことなく岩田がGKと1対1。
このようなシーンはこれまでも何度か見られ、GKの好セーブやシュートミスなどでなかなかゴールが決まらなかった岩田だがここは冷静に決めて3-1。
試合をほぼ決定づけた。
グラスポも食い下がらずに攻めの姿勢を見せるが、その裏をついてまたも滋賀FCが一気に攻めあがる。
先ほどのゴールから2分後、再び岩田が抜け出しダメ押しの2ゴール目。 4-1で勝利に花をそえた。
リーグ戦が2巡目となり、ある程度チームの実力がわかってきた状況で、競合グラスポに、この試合内容で勝てたことの意味はとても大きい。
時節は、前期日程で敗戦しているHIRA。最高の形での関西リーグ1部昇格を果たしたい滋賀FCにとっては、HIRAには絶対に勝たなくてはならないため、グラスポ戦での勝利を足がかりに波に乗りたいところ。
また、HIRA戦にはキャプテン上田も復帰し、ほかに累積警告選手もいないことから万全の状態で臨めるはず。
HIRAに勝利すれば1部昇格が見えてくるので、この一週間、しっかりと調整をしてほしい。
ちなみに、余談ではありますが、この勝利で滋賀FCは勝点を24に伸ばした。
これで下位のエルマーノ大阪・履正社との勝点差が21ないし24(9節の結果がわからないため)になり、滋賀FCが県リーグに降格するという可能性はゼロになった。
もちろん1部昇格が至上命題というチーム状況だが、マイナス要素をひとつずつ消していくことで前進ができるので、こういうったことも念頭においてさらにレベルアップしてほしい。
ちなみに(その2)・・・
大事な大事な次節のHIRA戦ですが、かえって来れそうにありませんので欠席しますm(_ _)m