関西リーグ(D1)第3節 滋賀FC-BSC HIRA

Ma-ny。

2009年04月27日 01:08

■関西リーグ(D1)第3節
 『滋賀FC 2-1 Biwako S.C. HIRA』
  2009.4.25(土) 11:45KO. 兵庫:アスパ五色
  得点者:中川・梅辻


(本日(4/26)、ようやくインターネットが開通しました。)

2009年シーズン開幕から2戦。
昨年の上位2チームを相手に戦った滋賀FCは0勝2敗の苦しいスタートとなりました。
開幕戦のアイン食品戦は、立ち上がりに2点を奪ったもののゲーム全体で見ると課題も多く、非常に厳しいシーズンになることを予感させました。
第2節のバンディオンセ戦では、前節での課題を修正しつつ、まだまだ試行錯誤を続けるチーム情勢を垣間見る試合展開となり、
完敗に等しい0-2のスコアながらも、今後に期待も持てる内容で第3節以降の戦いが注目されました。

そして迎えた第3節。
滋賀FCのホームゲーム扱いで、対戦相手は同じく滋賀から今年昇格を果たした「Biwako S.C. HIRA」。
滋賀県勢同士の対戦にも関わらず、試合会場は兵庫県は淡路島の南端、アスパ五色
両チーム選手・スタッフ、そしてサポーターの誰一人としてメリットを享受できない会場をあてがった関西リーグには多少なりと疑問を感じてしまいます。

さらに天候は朝から降り続く激しい雨。
そして暖房が必要なほどに寒い気温。

滋賀FCが今後流れに乗れるかどうかという転換期にすべき試合ながらコンディションの悪さが心配されました。

滋賀FCのスターティングメンバーは
GK 名倉正記
DF 中島毅、横山翔、神浦直樹、保田慧
MF 前川賢司、奥田健斗、西﨑圭祐、中川英之
FW 梅辻大輔、岩田尚記

得点力の高いFW陣、黄金の中盤は昨年どおり。
今季一気に様変わりした守備メンバーは試行錯誤を繰り返している。
昨年高い位置で使ってきた保田を守備にコンバートし、開幕戦・第2節の先発だった武藤に代わり、新加入横山を起用し成長著しい中島が守備を統率。
前節まで守備に配置されていた新戦力、ファジアーノ岡山から移籍の中川を本来のポジション、トップ下に移して攻撃のバランスを整える形でキックオフ。

対するHIRAは昨年の勢いそのままに、メンバーを大きく変え琵琶湖成蹊大スポーツ大サッカー部の2軍に相当する協力な人材を登録して今シーズンを迎えた。
新加入選手の中には野洲高校で全国制覇した瀧川陽もおり、ゲームメークを一手に握る。
大学生特有の速さがさらに増し、スタミナ面では滋賀FCの上を行く、関西リーグ上位間違いなしというチームに仕上がっている。

試合序盤はやはりHIRAの速さに翻弄されることになる滋賀FC。
瀧川からサイドへのパス供給が素晴らしく、何度となくチャンスを作らせてしまう。
しかしフィニッシュの精度が悪く、ゴールの枠を大きくそれたシュートばかりで滋賀FCは助けられた。

滋賀FCは前節、守備から攻撃まで幅広い活躍をみせたDF横山が守備に専念し中島とともに落ち着いた動きをみせる。
攻撃的な位置にもどり勝手がよくなった中川はその真骨頂を見せるべく、中盤を縦横無尽に走りまわる。
トップ下の確固たるプレーヤーが現れたおかげで、FWの梅辻・岩田が伸び伸びとプレーできるようになり、前川・奥田・西崎という黄金の中盤のその先の柔軟性が生まれた。
この試合の中川・梅辻・岩田のコンビネーションは昨シーズンまでの滋賀FCの姿を思い出させてくれる。 滋賀FCは可能性を大きく感じるチームに変貌した。

前半35分にコーナーキックを得た滋賀FC。
前川の蹴りだしたボールにゴール前中央にいた中川が絶妙のヘディングで流し込み待望の先制点をあげる。
前半は0-0でもよしとしていた流れの中から、値千金のゴールを挙げたのは新加入中川英之
昨年、JFLファジアーノ岡山で不動の中盤の地位を築いたスペシャリストが目覚めの一発を決めた。
さらにリズムを作った滋賀FCはポゼッションを高めて前半を折り返す。


後半、立ち上がりわずか1分でHIRAに同点に追いつかれる。
キックオフから一気に攻めの姿勢を見せるHIRAの対処にDFが慌ててしまい、中島が痛恨のファウル。
これでHIRAにPKを献上してしまい、PKを決めたHIRAがゲームを振り出しに戻す。
その後は一進一退のゲームが続く。
HIRAはお得意のスピードサッカーを展開するものの、雨のためボールの速さが殺される場面もありHIRAとしてはフラストレーションの溜まるゲームになる。
後半20分には、HIRAがGK名倉と1対1になるピンチ。
中島がカバーに入りピンチを凌ぐ。そのシーンは明らかな相手のハンドながら中島のファウルととられる誤審でPエリアすぐのところからフリーキックを与えてしまう。
このピンチをチーム一丸で凌いだ滋賀FCは、その直後、またチーム一丸となった全員攻撃を見せる。
左サイドに食い込んだ中川からゴール前の岩田へ絶妙なパス。
岩田の前にHIRA DFが立ちはだかり、ボールはファーサイドに待ち構えていた梅辻へと回る。
シュートコースがフリーの梅辻がしっかりと決めて2-1。
流れるような美しいプレーと、チーム11人がまとまり明確な意志をもって奪った貴重な1点は滋賀FCの今後を占う上でもとても重要なゴールとなった。
また、それまで何度となく惜しいシュートを放っていた岩田にとっても、いまいち波に乗れなかった梅辻にとっても自身のモチベーションを上げるにもってこいのゴールになったはず。

ビハインドを負い、まずは同点に追いつこうと必死になるHIRAは若さゆえチームバランスが崩れ、組織だった脅威はなくなる。

3分のロスタイム。
勝利のために時間を稼ぎたい滋賀FCは先日新加入が発表された、岡谷良選手の投入を画策する。
岡谷は草津東高校出身でアルゼンチン1部リーグでのプレー経験を持つ大型FW。
滋賀FCの大きな財産となる岡谷の雄姿を拝めるチャンスだったが、投入前に試合終了のホイッスルが吹かれ、この日のデビューはおあずけとなった。

とにもかくにも、悪いコンディションの中、今までの問題点を見事に修正し完璧な勝利をつかんだ滋賀FC。
3試合目にしての勝点獲得は押しスタートかもしれませんが、しかし一歩づつ階段を登る姿を見せてくれた滋賀FCの今後には大きな期待が持てます。
残念ながら淡路島という遠い試合会場のせいで勝利を目にした方は少なかったのですが、時節はいよいよ滋賀FCのホームグラウンド、ビッグレイクでの試合を迎えます。
正真正銘、滋賀FCのホーム開幕戦をぜひ生でご覧ください。

次節案内
 ■関西リーグ(1部) 第4節
   『滋賀FC - 京都BAMB1993』
    2009.5.2(土) 14:00キックオフ
    滋賀守山:ビッグレイク(野洲川歴史公園サッカー場)天然芝Cコート

    入場無料